「鉄道模型芸術祭」で披露した自動運転の仕組みを説明します.
運転方法は【1】〜【7】の7通り
「DCC Decoder」とスピーカーは、C-MODとI-MODの下に1セットずつある.
片方の「DCC Decoder」(#88)のモーター出力のみ、手動の逆転スイッチと、手動のDCC/DC切替スイッチを介して、線路につながる.
2ヶ所の線路「Gap」は、DCC/アナログDC切り替えに際して、分岐線上に退避したロコを保護するためのもので、モジュールの下に手動のON/OFFスイッチがある.
【1】アナログ車輌1台が周回
EVファイル名:EV_#88#89_stn-EL-xxxx
・X駅とY駅で停車/発進
・駅付近で効果音が出る.
・ポイントは自動で切替わらないので、あらかじめ図のように設定する.
・右側通行で、左回り(A図)または右回り(B図)
デコーダーBOXは、2個あり、アドレスは#88と#89
それぞれX駅とY駅の下に配置する.
※線路の入力を#88デコーダーのDC(アナログ)出力に切替える.
【2】DCC車輌2台がXY駅で列車交換
EVファイル名:EV_2exch_trm-xxxx
・右側通行で駅へ進入できるよう図Cのようにポイントをセットする.
・センサー1と4を通過する車輌をAスロットに、
センサー2と3を通過する車輌をBスロットにセットする.
上記写真車輌の場合、
Aスロットに「Tram Red #1341」
Bスロットに「Tram Yellow #2602」をセットする.
・2車輌を手動で前進させる.
あとはD,E,F図のように、自動的に停止/ポイント切替/発進をくりかえす.
【3】写真の2車輌はサウンドが出ないので、
EVファイル名:EV_2exch_trm_#88#89-xxxx
を使えば、駅付近で効果音が出る.
【4】お客さんが運転して、列車交換する場合
車輌の一方を、A/Bスロットで指定していない車輌に変更して、これをiPadで手動制御する.
「駅で止まって、信号が青になったら発車してね」
【5】DCC車輌2台がY駅で追越し運転
EVファイル名:EV-PassR_S4S5-xxxx
・Aスロットに1号車、Bスロットに2号車をセットし、
G図のようなポイント状態で、2車輌が右回りに周回する.
・1号車がY駅で停車するとポイントが本線側に開き(図H)、2号車は停車せずに通過する(図I)
・2号車が通過してしばらくすると、ポイントが側線側に変わって1号車が発進する(図J)
・X駅で追い抜きはなく2車輌とも通過、2号車はY駅で停車し、1号車が追い越す.
【6】DCC車輌2台がX駅とY駅で追越し運転
EVファイル名:EV-PassR_S1245-xxxx
・Aスロットに1号車、Bスロットに2号車をセットし、G図のようなポイント状態で、2車輌が右回りに周回する.
・この初期状態ではどの駅にも停車しない.
Y駅に停車させたい車輌が1号車なら、S3センサーを通過する前に、S1センサーに手をかざして検知させる.
Y駅に停車させたい車輌が2号車なら、S3センサーを通過する前に、S4センサーに手をかざして検知させる.
・このあと2車輌は、X駅、Y駅で交互に追越し運転をする.
・EVプログラム中の「Rand_Flg7」を「実行可」にすると、ランダムに、停車後通過待ちをせずに発進する.
その場合は、Cスロットにセットした車両のランプが点灯する.
【7】アナログ車輌2台による交換運転
EVファイル名:EV_2exch_pas-xxxx
・線路の電気はアナログに切替
・L図のように、X駅Y駅とも、右側通行で駅に進入できるようにポイントをセットする.
1号機はアナログ車輌(#88)で、常に外側の側線を左周りに走行する.
2号機は、バッテリーリモコン車(#77)で、内側の側線を右周りに走る.
・駅に入る前の状態で、双方発進させれば自動運転が始まる.
どちらの駅からでも開始できるが、ここでは、X駅への進行を説明する.
・2号機はX,Yそれぞれの駅で停車/発進をする.
・1号機は各駅で、
対向車がまだ走行中なら、信号機が青になるまで止まって待つ.
対向車が停車していれば、そのまま走り抜ける.
・1号機の走行速度が2号機より遅い時に、この通過が起こる.
・M図は、2号機が先に停車したケース
P41のポイントが開くので、1号機は停車せず、そのまま走り抜ける.
・N図、P40のポイントが開いて、2号機が発進する.
・O図、S3およびS6センサーで、それぞれを通過した車輌が出てきた側のポイントを、元に戻す.
・P図、Y駅でも同様の動きになり、この場合、1号機は、2号機が停車してP50のポイントが開くまで、停車して待つ.
実際に会場で運転してみると、
【1】アナログ車輌1台が周回
1台だけ走行というのは、ちょっとさみしい.
【2】列車交換
これが一番らくちん.
この運転は安定していて、長時間放っておいても問題ない.
【3】サウンドが出ない機種から音を出す
会場内の騒音で、効果音がそれほど目立たないせいだろうか、
工夫したわりに、気がつくお客さんは少なかった.
【4】お客さんがiPadで運転して、列車交換する
iPad上のWebアプリの反応があまりよくないので、意図通りに運転するのがむずかしい.
【5】「追い越し運転」
放っておくと前後のロコの間隔が狭くなったり広がりすぎたりするので、これをフォローするのがめんどう.
【6】「追い越し運転」
さらに複雑な追い越し運転で、いそがしい会場では、意図通りに動いているのかよくわからない、という事態になる.
トラブル対応がむずかしいので、ほとんど使わなかった.
【7】アナログ車輌2台による交換運転
これは少々トリッキーな方法なので、やればできる、という話.
現状の列車交換EVプログラムで、信号が「赤」に変わるのは、出発した列車が対抗の駅に入った時である.
列車が駅を出たら即「赤」に変わるべきなのだが、駅を出たという検知がむずかしい.
これは.S3/S6を通過したら「赤」、とすれば改善するだろう.
プログラムには、まだ工夫の余地がある.
下記ファイル中の「EV_#88#89_stn_pt-EL_test-20220309F.xml」は、
エンドレスの半分のモジュールを使って、2列車が往復/交換するプログラムで、小さなエリアで自動運転を楽しめる.