2018年5月30日
[DCC]
「 アメリカンOナロー」の線路構成で
「自動追い抜き運転」のイベントを作成した.
機器構成については「自動列車交換運転」と同じなので
「
DesktopStationで列車交換」と
「
自動運転の基本操作」の記事を参照.
図-1
図のようにA列車とB列車が右回りで走行中
A列車が駅2の待避線に入ると、3のセンサーが検知して停車する.
その後、P20とP21のポイントを本線側に切替える.
図-2
B列車は本線側を走り続けてA列車を追い越す
図-3
B列車が4のセンサーを通過すると
しばらくしてから、P20/21のポイントを開いてA列車が発車する.
これが基本的な原理で
引き続きB列車は2周目で駅2に停車し、A列車がそれを追い越す.
○
「追い抜き運転のイベントファイル-1」サンプル
テキストファイルになっているので、「.txt」を「.xml」に変更し、DSアプリのEVファイルとして読み込む.
(1) 「S3-Stop-A」と「S3-Stop-B」のイベントは、S3センサーが検知した時に動作する.
Flag0の内容が0なら「S3-Stop-A」、2なら「S3-Stop-B」で、A列車またはB列車を停止させる.
その後、P20とP21のポイントを本線通過に切替える.
Flag3は在線フラグである.
(2) 「S4-Start-A」と「S4-Start-B」は、S4センサーが検知した時に動作し、40秒後にポイントを切替え、それぞれA列車またはB列車を発進させる.
その後、Flag0の内容を 0→2 または 2→0に切替える.
準備
(1) DSアプリの「車両の編集」画面で、A列車とB列車のロコのアドレスと最大速度を登録しておく.
(2) A列車は「複数ロコの制御」画面でSlotAに、B列車は同SlotBに登録しておく.
(3) 最初のスタート時は、図-1のようにポイントをセットし、A,B両列車を「運転(キャブ)」画面で発進させる.
S3が最初に検知するのはA列車であること.
その後は、上記のイベントで、A列車とB列車が「駅2」で交互に停止/発進をくりかえす.
○
「追い抜き運転のイベントファイル-2」サンプル
(1) 前項のイベントを拡張して「駅1」と「駅2」で毎回追い抜きをするのが動作の基本.
さらに、初期状態で「駅2」に停車する列車をA/Bのどちらか選択できるようにした.
また、各駅で停車/通過する列車が初期状態で固定されてしまうので、ランダムに、追い抜き待ちをせず、停車後すぐに発車する仕組みをいれた.
(2) Flag0 が基本的な動作を決める.
=0:何もしない
=1:「S2-StopStart-A」が稼働
=2:「S2-StopStart-B」が稼働
=3:「S3-StopStart-A」が稼働
=4:「S3-StopStart-B」が稼働
(3)初期状態は全てのフラグが0なので、図-1のようなポイントの状態でA/B列車を走らせても、周回するのみでどこにも停車しない.
「S1-Flag」と「S4-Flag」のイベントは、 Flag0=0の初期状態では、センサーとA/B列車のひもづけをする.
この初期状態で、「駅2」で停車するのがA列車がなら、S3通過前にS1センサーに手をかざして検知させ、B列車ならS4センサーに手をかざす.
これで Flag0の値がセットされ、その後は交互に停止/発進をくりかえす.
「S1-Flag」と「S4-Flag」のイベントはその後、 通過列車を検知すると、それぞれFlag8とFlag9を1にセットする.
(4) 一連の「S2-StopStart-A」・・イベントは、停車後Flag8またはFlag9が1になるのを待っており、1になればランダムに30秒〜50秒の時間待ち後、ポイントを開いて発車する.
同時に Flag0の値を変更して、StopStart動作を次の列車に引き渡す.
(5) 一連の「S2-StopStart-A」・・イベントは、Flag7が1の場合は、停車後ポイントを切替えずそのまま発車する.
(6) 「Rand-Flag7」は、最大10分に1回、ランダムにFlag7を1にセットする.
また、Flag7が立ったことを視覚化するために、SlotCに登録したロコ(Cロコ)のライトを点灯させるようにしている.
例えば、レイアウト内の分岐線に止めたCロコのライトがつけば、通過待ちをしない、ということがわかる.
「S6-Flag7-LightOff」は、別の場所にあるS6センサーに手をかざして、Cロコのライトを消す、つまり監視をリセットするためのイベントである.
このように、イベントの状態を監視するためのイベントを作ると便利になる.
これらのイベント内で使っているWAITタイマーの設定値は、ロコのスピードやレイアウトの大きさに依存する.
ここでは1週するのに2分半ほどかかるエンドレス線路を基準にしている.
それほど複雑なイベントではないのだが、動きはなかなか面白い.
汽笛やベル音などを連動すれば、よりリアルな動きになる.